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数値に弱いサラリーマンの少額株式投資

米国株式、投資信託、日々の生活などについて発信します。



ギリアド・サイエンシズ(GLID)は世界第9位のバイオ医薬品メーカー。2017年業績増収、減益。2018年予想は、減収、増益の予測。

 

 

1 2017年12月末決算

 

1 業績概要

2017年通期は主力の「ハーボニー」が大幅減。「ソバルディ」も大幅に縮小。新薬「エプクルサ」と抗HIV新薬「ゲンボイヤ」急拡大も及ばず減収。研究開発費減るが、税負担響き大幅減益。2018年も「ハーボニー」苦戦、「エプクルサ」も米国で急減速。「ゲンボイヤ」堅調増でも大幅減収は不可避な見通し。

 

 

 世界有数のバイオ医薬品メーカー。HIVエイズ、B型・C型肝炎ウィルスなどの感染症治療・予防薬の開発で成長。抗インフルエンザ薬「タミフル」の特許を保有

2013年発売のC型肝炎治療内服薬「ソバルディ」、2014年のC型肝炎治療薬「ハーボニー」が大型医薬品として成長牽引。2016年に欧米当局がC型肝炎治療薬「エプクルサ」を承認。 

 

 

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ギリアドサイエンシズのHPより

 

ギリアドは、生命を脅かす疾病を持つ世界中の患者さんの、いまだ満たされていない医療ニーズに応えるべく努めています。

 

ギリアドは、HIV/AIDS、肝疾患、血液がん・固形がん、炎症性疾患、呼吸器疾患、心血管疾患の領域を重点領域として位置付けています。

 

ビジョン

生命を脅かす疾患の治療に、さらなる進歩を

 

ミッション

効果的な治療法のない疾患に対する革新的な治療を発見し、開発し、患者さんに届け、患者さんとその家族に笑顔をもたらす

 

コアバリュー

真摯(integrity)、インクルージョン(inclusion)、チームワーク(teamwork)、責任(accountability)、卓越(excellence)が私たちのコアバリューであり、成功の礎である。

 

 

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真摯(integrity)ー正しいことをする

・道義的・道徳的な行いをする

・信頼される人間でいる

・いかなる時も一貫性を持つ、公正でいる

・規制上の/科学上の/会社の諸規定および手順を遵守する

・データを適切に共有し、かつ大切な情報を守る

 

インクルージョン(inclusion)ー多様性を認めて奨励する

・人々の持つ背景および経験全てを尊重する

・様々な視点を追求し、イノベーションをもたらす

・お互いに励まし合い、助け合う

・先入観を持っていることに気づき、なくす

・成功に向けての道筋を多面的に考える

 

チームワーク(teamwork)ー協働する

・全体の目標を一番に考える

・柔軟性をもち、自らの能力を発揮して貢献する

・他者に耳を傾け、その貢献をたたえる

・情報や良いアイデアを組織全体で共有する

・功績を褒めたたえ、認め合う

 

責任(accountability)ー責任をもつ

・自分の言動に責任を持つ

・責任をもって業務を遂行する

・自らの置かれている状況を積極的に説明する

・失敗を認め、失敗から学ぶ

・喫緊な課題に対して最善の解決方法を見つけ出す。

 

卓越(excellence)ー常に最善を尽くす

・高い目標を設定する

・継続的に研鑽し、専門知識を身につける

・顧客の期待に応え、期待を上回るように努力する

・完璧さと効率のバランスをとりながら成果を追求する

・会社全体の利益を最優先に行動する

 

 

 

 

 

 

 2 各種の指標、他社比較、地域分布など

 

採用インデックス

S&P100、S&P500、ナスダック100、ラッセル1000

 

S&P格付け

A

 

NasdaqGS

 

同業種内順位(全463社)(医薬・バイオ・ライフサイエンス)

時価総額>7位

<売上高>5位

<同業種内時価総額1位>Johnson & Johnson

 

<ライバル企業>

Amgen,AbbVie,Biogen Idec,Celgene,Merck,ViiV Healthcare,

 

同業種の日本企業:アステラス製薬、JCRファーマ、武田薬品工業第一三共

 

<テーマ>

 新薬

 

<ブランド>

タミフル(抗インフルエンザ薬)、ソバルディ(C型肝炎治療薬)、ハーボニー(C型肝炎治療薬)

 

<株主構成>

機関投資家(80.9%)

事業会社(0%)

個人・役員(0.6%)

その他一般株主(18.4%)

 

機関投資家が8割以上

 

<事業構成>

Discovery,Development and Commercialization of Innovtive Medicines(100)

 

<地域別売上高>

米国(69.7)、欧州(20.3)、その他国(10)

 

2 業績詳細

 

単位は100万USドル

 

損益計算書 
売上高 営業利益 営業利益率 純利益

希薄化後

1株益

1株配 配当性向
12 9702  4299  44.31 2592  1.64 -
13 11202 4524  40.38 3075 1.81  -
14 24890 15265 61.32 12101 7.35 - -
15 32639 22193 68.00 18108 11.91 1.29  10.8
16 30390 18065 59.44 13501 9.94 1.84  18.8
17予 25808 16033 62.12 11503 8.74 2.11395  24.2
17 26107 14410 55.20 4628 3.51 2.08  59.3
18予 21300 11429 53.66 8380 6.46 2.24985  34.8
19予 21103 11176 52.96 8494 6.62 2.40698  36.4
20予 21734 11663 53.66 8652 7.04 2.44339  34.7

 

2017年は、予想より、売上高増、営業利益、純利益とも減少。税制改革の影響。

2018年以降は、売上高、営業利益、純利益の水準が下がります。

(上記のとおり、「ハーボニー」「エプクルサ」が急減速)

 

そうであっても、売上高営業利益率が50%を超えている、超高収益企業です。

 

配当利回りは、2.28%程度です。配当開始は、2015年からなので、増配が続くかは見通しが不明です。

株価は、77.93ドル (2018年8月3日)

 

財務
総資産 自己資本 自己資本比率(%) 1株株主資本(USD) 非支配持分 有利子負債 流動資産 固定資産 流動負債 固定負債
15 51716 18536 35.84 13.04 579 22055 24762 26954 9890 23292
16 56977 18887 33.15 14.42 476 26346 19588 37389 9218 28872 
17 70283 20442 29.09 15.63 59 33542  31823 38460 11635 38206


自己資本比率は高いですが、2016、2017年と下がってきています。また、1株株主資本は15ドル程度で、同業と比較して同程度か、高い水準です。財務は良好です。

  

指標 

 

ROE ROA 設備投資 設備投資比率  減価償却 研究開発
16 72.15 33.24 587 1.8 1086 4666 
17予 60.90 28.14 632 2.1 1120
17 23.53 22.65 571 2.2 1081 3734 
18予 41.00 16.26 603 2.8 1189   

 

ROEが30%を越えており良好です。ROAが20%から30%ととても高く、資産を有効に使えています。設備比率も非常に低く抑えられています。設備投資比率の低さに驚きます。不思議な感じがします。

 

 

PER(変動しますが、ここでは、12月末で比較しています)

2016年実績 7.20

2017年予想 9.67

2017年実績 20.41

2018年予想 12.64

 

PERは、2018年予想は、13%程度以下であり、買い時かもしれません。

 

 

BPS(一株当たりの純資産)(上表の1株当たりの株主資本)

2017年実績 15.63

2018年予想 20.23

 

BPSは良好です。

 

  

発行済株式数(100万株)

 

2016年 1310

2017年 1308

 

 

キャッシュフロー

 

営業CF 投資CF 財務CF 現金同等物 フリーCF 営業CFマージン
15 21250 -12475 -5884 12851 8775 65.1
16 17047 -11985 -9725 8229 5062 56.1
17 11898 -16069 3393 7588 -4171 45.6

 

営業キャッシュフローマージンが、45%を超えています。2015年は65%でした。ありえないほど儲けている会社です。

 

 

ギリアドサイエンシズの10年株価チャート

 

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ギリアドサイエンシズの6ヶ月間株価チャート

  

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2009年から2012年まで20ドルで低迷していましたが、2012年から2015年半ばの3年半で6倍の120ドルの高値をつけています。その後70ドル程度まで下がって低迷しています。

業績とPERとを考えると、それほど割高とは思えませんが、主力の「ハーボニー」の大幅減収と、希薄化後EPSが市場を下回った影響でしょうか。

 

 

2 所感

超高収益企業です。財務状態は良好です。

 

成長性の予想が、控えめであることが、株価が割安放置の原因でしょうか。

業績の様子をみます。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。楠木山人。