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数値に弱いサラリーマンの少額株式投資

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投資・株式ベテランでも陥りやすい11の判断ミス(バイアス)。判断の改善に効果的あり。投資成果を向上

1 投資ベテラン、投資・株初心者が投資で注意すべきバイアスとは

 

 

1 認知の歪み、バイアスとは何か?

 

人間には、「認知の歪み」という、事実を直視せずに、自己の都合の良い、あるいは逆に、自己の都合の悪いように、反応、解釈することがあります。これは、バイアスと呼ばれることがあります。

人間が生存し続ける上で、必要な判断パターンなのですが、個人差、直面状況により、様々な判断前提、結果として現れます。

 

バイアスを自覚することで、自分の行動を、少しでも客観的にみることが出来、現在の投資成果、未来の投資成果を向上させることが出来ます。

 

2 投資とバイアスの関係づけ

 

ずばり、『投資とバイアス』について、まとめているサイトがないかと探してみましたが、見つかりませんでした。

そこで、投資でのとりがちな行動パターン(バイアス)について、自戒も含めて、適度に読みやすく、まとめました。

 

1 バイアスとは

 

バイアスとは、偏り、かさ上げ、または斜めのこと。

 

ウィキペディアなどより)

  種類  用語  分類  説明 
偏り 偏り   統計学の用語。母集団の要素が標本として平等に選ばれていない、または推定すべき量をなんらかの理由で高く、あるいは低く推定しすぎていること。
偏見 偏った見方のこと 認知バイアス 非常に基本的な統計学的な誤り、社会的帰属の誤り、記憶の誤り(虚偽記載)など、人間が犯しやすい認知の誤り。
      感情バイアスなど 感情的要因による認知と意思決定の歪み。
3 かさ上げ     ある数に特定の数を足して嵩上げすること。
斜め     糸がななめに走っていること。斜めに断つこと。

 

 

2 バイアスの例と投資での行動、影響など

 

当てはまる行動パターンの例を、自分なりに考えて、列挙してみました。この表をみると、読者の方々の、過去、または、現在の投資行動の理由が分かり、より自分の判断を客観的に捉え直すことが出来るようになるのではないでしょうか。

ご参考にしてください。

 

  種類  説明  投資での例、(良、悪の)影響
一貫性バイアス ある人物の過去の態度や行動が、現在の態度により近いものだったと記憶させる 有名投資家、あるいは自分自身の投資方針が過去から一貫したものであると誤認する
自己中心性バイアス 自分を物事の中心と定義して、世の中の物事を解釈する。また、そのような考えを元に、他人を端っこに置いてしまう。 株式市場全体は軟調だが、自分の保有している銘柄は、値下がりしないはずだ
感情バイアス 感情的要因による認知と意思決定の歪み。好ましくない、精神的な苦痛を与えるような厳しい事実を受け入れたがらない。 自分の持ち株は、含み損があるが、保有継続すると、いずれ株価が回復し、含み損が解消するので損はしない。(売却すると損失が実現し、精神的な痛みを伴うと感じる)
後知恵バイアス 過去の事象を全て予測可能であったかのように見る傾向 チャートをあとから見直してみて、株価の上下動、転換点を認識出来ていたと錯覚する
5 確証バイアス、追認バイアス 個人の先入観に基づいて他者を観察し、自分に都合のいい情報だけを集めて、それにより自己の先入観を補強するという傾向

投資パフォーマンスを平均株価と比べてみて、自分の持ち株のリターンが高かった期間のみを強く認識し、投資成果に誤った自信を抱く。

成長株のPERが異常とも思える高値であっても、成長を続ける将来への主観的な根拠のない期待感から、現状株価を正当化して、追加投資を続ける

根本的な帰属の誤り 状況の影響を過小評価し、個人特性を過大評価して人間の行動を説明する傾向 実際のところ、株式市場全体が上がっているために、自己の持ち株全体が上がっているのだが、リターンの向上は、自分の投資判断が主因で正しかったからだ、と誤認する
正常性バイアス  自然災害や火事、事故・事件(テロリズム等の犯罪、ほか)などといった何らかの被害が予想される状況化にあっても、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価する心の特性 暴落が続いており、株価が急落していくが、毎日の株価上下動を近視眼的に見て、『短期で回復するに違いないはずだ』 と、自己に都合のよい判断を下し、ナンピン買いを続ける
アンカリング ある事象の評価が、ヒントとして与えられた情報に引きづられてしまうこと。 現在の株価水準を受け入れられず、買値(または売値)からの株価変動に置き換えて判断してしまう。現実が直視できない状態
保守性 人間が新しい事実に直面したときに、それまで持っていた考えに固執してその考えを徐々にしか変化させられない傾向

成長株の十数年間に渡る急成長をみているが、PERが高すぎるなどと判断した投資家が、当該成長株は近いうちに暴落して紙くずになると頑なに信じている(個人の判断結果なので、必ずしも、悪いわけという訳ではない)

10  ホームバイアス 自分のよく知っている領域を過大に高評価する 日本に居住しているため、日本株の状況が分かりやすいので、(GDP比などの客観的な尺度を用いた)地域分散をせずに、日本株に過剰な投資を継続する

11 

現在価値 資金、時間、資材等の将来価値よりも、現在価値を過大にみつもる 現在の資源(時間、資金、資材)価値を過大に考え、消費し、将来への資源管理を軽視する。今しか手に入らないと錯覚し、時間、資金、資材を浪費する(過大なレジャー費など)

 

2 所感

 

自分自身の行動分析のために、バイアスについてまとめてみました。

どの項目も、振り返って見ると、自己の行動に当てはまります。

また、バイアスを全くなくすことは当然ながら出来ませんし、判断してしまった過去を変えることはできません。

しかし、現在の自分の状態はどうか、あるいは、未来での、株価の調整、回復局面での行動をより良いものにするための、一つの目安として使えると思います。

どなたも、幾らかは心当たりがあることだと思いますので、投資のご判断の参考になれば幸いです。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。楠木山人。