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数値に弱いサラリーマンの少額株式投資

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危険が潜むインデックス投資?インデックス投資ならば、ほったらかしでも安全か?リターンはどの市場かの影響が大きい

この記事は2018年9月28日頃に書きました。

1 株式投資は決断の連続である

 

 

 

1 株式投資に対する高揚した気分で満たされている

 

最近、「インデックス投資ならば、ほったらかしで良い」との記事を見かけることがありますが、いつから、投資はそんな簡単なものになったのでしょうか?

 

 

「日本人は、投資よりも安全資産(預貯金)を好むため、株式市場に資金が回らない。もっと、株式、投資信託等の資産配分を増やすべきだ。」

 

「長期(10年間など)のスパンで投資すると利益が出やすい。」

 

「老後のための資産形成をするなら、株式投資投資信託が最善だ。」

 

などということを、官民??一体??となって広告しています。

 

「なかでも、パッシブ型(インデックス型、株式指数連動型)なら、投資した後はほったらかしでも資産形成ができる。」などと、極論とも思えるような発言、発表も散見されます。

 

株式投資投資信託投資、なかでも、インデックス投資はそんなに安全、簡単に、お金が増やせるものになったのでしょうか?

 

2 10年間の株価チャートを見てみる

 

管理人は、バブル状態とも言えなくもない現状の株式市場の過熱感を見ているとヒヤヒヤします。

 

図1 日経平均株価の10年間のチャート

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直近の10年間の株価チャートを見ると、何と、約2.4倍になっています。コストを無視すると、年利9%ならば10年間で2.37倍です。

管理人の直感では、年利9%を保証する金融商品があれば、その商品設計を怪しく感じます。

ところが、管理人の直感を無視するような値上がりっぷりが日経平均株価で実現しています。管理人の感覚が低すぎる、安全すぎるのでしょうか?

 

 

さらにチャートをよく見ると、株価が上がり始めたのは2012年末からですから、6年間で、約2.4倍になっています。コストを無視して概算してみると、年利15.0%で6年間で2.3倍です。

管理人の感覚では出来過ぎの成績です。2012年末に、ある人から、「この6年間で日経平均株価が2.3倍になるから、全財産を投資しろ」と、どんなに説明、説得されても、うなづくことはないでしょう。

 

 

ところが、このチャートには、表示されなくなってしまっている重要な上下動が隠れています。チャートに表示されなくなった過去、2009年1月以前に、金融危機リーマンショック)の暴落がありました。また、アジア通貨危機、ITバブル崩壊、また、1989年末には、日本株バブルの崩壊などもありましたが、10年以上前なので表示されません。

 

また、このチャートでも、2009年から2013年初まで、株価は10000円上下をうろうろしています。4年間の間、日経平均株価は膠着状態にあったことがわかります。

この期間に、株式市場から去った投資家は、日経平均株価では報われなかったと思われます。つまり、日本株式インデックス型(日経平均株価連動型)の投資家は、ほったらかしにしていても、信託報酬、その他の経費分、リターンが下がって、少額の損失を出したことになります。

 

 

図2 NYダウ30種平均株価

 

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10年間の期間をとって、NYダウ30種工業株平均株価を見てみますと、上下動はあるものの、大体、右上がりになっています。つまり、4、5年間でも市場に居続けると、リターンがプラスになり報われています。

 

また、日本株式と同じく、2009年以前は、リーマンショックがあったので株価暴落を経験しています。

 

 

図3 香港ハンセン指数ファンド

 

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さらに、香港のハンセン指数を見てみると、日本株よりも上下動が大きく、売り買いのタイミングを計ることが難しかったことが想定されます。

逆に言うと、相場観の優れた投資家は、株価が上がって儲けて、下がって儲けられたので、資産を大きく増やせた可能性があります。

 

 

3 投資で重要な点はなにか

 

さて、ここまで見てみると、投資で重要な点は、

 

1 投資スタイルと市場があっているか(インデックス投資の場合)

 

過去10年間で、

 

ほったらかし投資家であれば、NYダウが適していましたし、

売り買い、信用取引を得意とする投資家ならば、香港市場が適していたでしょう。

 

投資スタイルに適合した市場で投資するべきです。それは、情報力、分析力と決断力等々の力が必要でしょう。

各人毎に得意のスタイルがありますので、出てくる答えは、当然異なってきます。

 

2 株価が思ったように動いてくれない時にどうするか

 

 過去10年間で、

 

 日本市場で10000円近辺でこう着状態にあった時、「ほったらかし」で売り買いをしなかったか?株価変動が気にならず無視できたか?上がり始めるまで待てたか?また、現在より未来へ売らずに保持できるか?

 

 さらには、10年以上遡った時に、リーマンショック級の大暴落が起きた時に、株価が回復するまで待てたか?毎日、メディアは暴落、暴落、と大騒ぎして、世界経済が崩壊するように騒ぎ立てるときに、自分のスタイルを貫き通せるか?

 また、逆張り投資スタイルの投資家であれば、大暴落の最中に、底値で買い向かう勇気、決断力を持てたか?暴落で含み益の出ている株をいつ売るかを決断できるか?

 

3 お金が必要な時にどう資金調達するか

 

生きている限り、お金が必要になります。日常の入出金なら何ともなくても、災害、病気、事故、などなどで緊急にお金が必要になるときがくるかもしれません。その時が株式市場が好調ならば何の問題もないでしょう。

ところが、株価大暴落の最中にまとまった資金が必要になり、手持ちの貯金、定期、その他安全資産では不足する場合、暴落している株式を売らなければならなくなるかも知れません。損失が確定します。

あるいは、株式市場が活発で、株価が上昇している時に、手持ちの現金に換えておく準備が有効かもしれません。

いずれにしろ、ほったらかしと言うわけにはいきません。

 

管理人は現金が必要なため、現在、株価が好調なうちに、現金化を時間の分散を考えながら実行中です。

 

4 いつ現金化する計画か?墓場まで持っていく?

 

墓場まで、株式を持っていくことはできませんので、株式のまま相続するか、現金化しておくかしなければなりません。

今後、日本の年金制度は改革されることがほぼわかりきっていますので、年金受給年齢が近づくと、何歳からもらうのか、あるいは、確定拠出年金の場合、一括で現金化するか、年金として分散して受け取るのかなどを決めなければなりません。

各人が自分、関係者の健康状態、周囲の対人関係、手持ちの資金額、年金として受け取れる金額などを、自分で考え、他者(支援者、ファイナンシャルプランナーなど)と相談しながら、決定していきます。

その時点での、株式市場、株価の状況を見極めて、証券をどう処分するか決める必要があります。

 

年金を受け取るまで、ほったらかしでメンテしていないと、せっかく貯めたインデックス投資が、どうにもならなくなっているかもしれません。

 

 

2 所感

 

自戒を込めて、思いつくままに書いてみましたが、やはり、少なくとも、年1回くらいは、保有の資産状況を確認する必要があると思います。 

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。楠木山人。