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数値に弱いサラリーマンの少額株式投資

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トンチン年金とは??お得な年金(保険)なのか?試算。見積もり。日本生命、第一生命、かんぽ。しくみは?

 

トンチン年金

 

日本経済新聞の2018年4月12日(木)から、

 

トンチン型年金ファンド

 

トンチン型年金ファンド

 

平均余命の延びは、皮肉なことに長生きリスクなどにつながる。退職後いかに資金を枯渇させず生涯にわたり運用しながら一定金額を引き出していくかは重要な課題だ。

 

その解決策の一つが海外の文献で紹介されたトンチン型年金ファンドである。このファンドの特徴は投資家が生存する限り、原則として途中解約が認められないことだ。生涯を全うした人の資金は生存している人に分配される。

 

従来型のトンチン型の金融商品と異なり、投資家自らマーケットリスクや長生きリスクを直接引き受けることにより、支払うべきコストを大幅に引き下げられる。投資家は生存期間中、より多くの金額の受け取りが期待できる。

 

トンチン型年金ファンドは運用会社が投資家の資金を一緒にプールし、投資家のリスク許容度に応じたポートフォリオをつくり、その運用益と元金から投資家に毎月一定金額を配分するシステムだ。

 

投資額に応じて受け取る金額が異なるほか、同じ投資金額の場合、例えば60歳よりも80歳、また同年齢であれば女性よりも男性の平均余命が短いので、その分、より多くの金額を受け取れる

 

その後、ある投資家が生涯を全うすれば、その出資した持分は生存する投資家に出資額や性別、年齢に応じて公平に分配される。分配金は一時金ではなく元金に加えられることから、資産枯渇からの長生きリスクを軽減するかもしれない。

 

さらに期間が経過するにつれて生涯を全うした人から受け取る分配金の額が増大してくる。ファンドによっては、最終的な生存投資家の資金の総取りを防ぐために運用期間を30年などに限定することもあり得るだろう。

 

すぐに受け入れるには難しいところもあるが、これからの長寿社会にとって興味深いファンドである。

 

トンチンの名称は、このタイプの年金の考案者である、イタリアの銀行家 ロレンツォ・トンティ氏(1630〜1695)からきているそうです。

 

(残念ながら、トンチン年金ファンドは見つけられなかったので、同様の仕組みと思われるトンチン年金について調べてみました。)

  

年齢のデータ、基本的な考え方など

 

各年齢まで生きている人の比率

グラフから、男性の場合、約20%が90歳まで生きることが分かる。

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トンチン年金の基本的な考え方

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トンチン年金の具体的な計算例

 

 考え方はわかりましたが、具体的金額はどうなのか。

 

1 日本生命の「グランエイジ」での説明例

 

 5年間保証期間付終身年金  年金額60万円

 ご契約50歳  払い込み満了・年金開始70歳

 

 男性の保険料  50790円(月払い)

 女性の保険料  62526円(月払い)

 

 

日本生命の「グランエイジ」の説明資料より

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(男性の場合を計算してみた例)

 

1 払い込み金額

  払い込み金額 = 20年 X 12ヶ月 X 50790円

         = 1218万9600円

 

2 給付金額

  5年保証期間付終身年金 = 60万円 X 5年間

              = 300万円

 

  5年保証期間付終身年金以外の部分

  = 払い込み ー 5年間保証期間給付金額(70歳から75歳まで)

  = 918万9600円

 

1 90歳まで生きた場合

   (上記のグラフによると、90歳以上生きる人は20%強)

 

   給付額 = (90 ー 75)年間 X 60万円

       = 900万円

   (差し引き 18万9600円 の払い損)

 

2 90.5歳まで生きた場合

 

   給付額 = (90.5ー75)年間 X 60万円

       =  930万円

  (90.5歳まで生きた場合は、11万0400円の得)  

 

 90.5歳以上生きなければ払い損ですが、90.5歳以上に生きる人は20%前後と推定(上記グラフ。男性の場合)。お得とはいえないようです。

 

インフレの影響も考慮していません。

 

  

所感

 

90.5歳以上まで生きると得になるのですが、こればっかりは、運的な要素が大きく、誰であってもなんとも言えません。1200万円という大金を固定化するので、年金の選択肢として魅力的ではないと思います。1200万円あれば、株式投資をしたい派なので、いまのところ、トンチン年金は考慮外です。

 

 

  

最後までお読みいただきありがとうございました。