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数値に弱いサラリーマンの少額株式投資

米国株式、投資信託、日々の生活などについて発信します。



年金(企業型、iDeCo)の株式ファンドがプラスになる理由

1 確定拠出年金(企業型、iDeCo)を株式ファンドでプラスにする

 

 1 確定拠出年金(DC:Defined Contribution Plan)(企業型、iDeCo)の概要

 

ウィキペディアによると

 

確定拠出年金とは、確定拠出年金法を根拠とする私的年金である。2001年(平成13年)10月から始められた。「日本版401k」とも言われ、日本の年金制度上は第三階に位置付けられる。

現役時代に掛け金を確定して納め(拠出という)、その資金を運用し損益が反映されたものを老後の受給額として支払われる。給付には、老齢給付、障害給付、死亡一時金があり、その性質上、将来の受給額は未定である。

 

対になるものとして確定給付年金がある。老後の受給額の目標金額を現役時代に確定しておき、将来の受給額から逆算した掛け金を現役時代に支払う年金のことである。すなわち、老後の受給額を前もって確定した年金である。 

 

「401k」とは、我が国の確定拠出年金のモデルとなった米国の確定拠出年金。モデルではあるが、拠出限度額、税制(日本版は、米国の401kよりも複雑で、不安定な税制)などで大きく異なっている。

 

管理人は、企業型の確定拠出年金で運用しています。掛け金は、(ウィキペディア等によると、)企業負担のはずですが、管理人の勤務している企業は、(多分)社員に払わせています。??

 

さて、確定拠出年金を長期で保有すると収益率はどのようになることが期待されるでしょうか。

 

2 長期間(例20年間)ではプラスリターン(資産増大)に収斂

 

金融庁発表のつみたてNISAの説明資料によると、国内外の株式・債券に分散投資し、20年間保有すると投資収益率2〜8%(年率)に収斂するデータがあります。

  

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国内外の株式・債券に分散し、つみたて投資した場合の5年間と20年間の収益率の分布(金融庁HPより引用)

 

上記をまとめると、 

分散(商品、期間、地域)投資の5年間と20年間の比較 
  1. 1985年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券の買付を行ったもの(4分割均等バランス型に相当する)。
  2. 毎年の買付後、保有期間が経過した時点での時価をもとに運用結果及び年率を算出している。

 

保有期間 投資商品 投資収益率(年率) 保有期間後の最終金額 備考(利点、特徴)
5年  国内外の株式・債券 -8%〜14%

100万円が5年後に、

72万円〜173万円

ばらつきが大きい。

マイナスもあり。

20年  国内外の株式・債券 2%〜8%

100万円が20年後に、

185万円〜321万円

プラス2%〜8%(年率)に収斂 

 

20年間では最終収益がプラスになります。

 

 

 3 長期間で運用する場合の株式、債券、キャッシュの収益率

 

チャールズ・エリスの「敗者のゲーム」(初版p76、第6版p83)にでてくる有名な収益率変動幅のグラフを引用します。

 

インフレ調整後の株式、債券、キャッシュの収益率変動幅

インフレ調整後の株式、債券、キャッシュの収益率変動幅

 

このグラフは、1901年から1990年の長期間にわたる収益率(インフレ調整後)を分析したものですが、

(例えば、25年平均の場合、1901年から1926年、1902年から1927年、1903年から1928年、・・ というように、1年ずつずらしながら収益率を計算する)

 

  1. 株式・債券・キャシュともに、短期(1年)よりも、長期(25年平均)と長くなるにつれて、収益率の上限、下限の差が小さくなる。
  2. 株式、債券、キャッシュの順に収益率変動幅の上下限の差が小さくなる。
  3. 株式、債券、キャッシュの順に収益率が小さくなる。
  4. 株式を長期間保有すれば、債券、キャッシュを保有するよりも、収益率が高くなる。

 

 1 25年平均(年率)

 

25年平均(年率)

資産クラス  最高(年率%)  平均的(年率%)  最低(年率%) 
株式   11.50 6.57  2.73
債券   6.47 1.60  -1.77 

 

となります。

 

2 25年間のトータルリターン

 

わかりにくいので、トータルリターンにしてみます。

25年のトータルリターン(累計、単位:倍) 

資産クラス  最高トータル(倍)  平均的トータル(倍)  最低トータル(倍) 
株式  15.2 4.91 1.96
債券  4.49 1.49 0.64

 

と驚くべき結果になります。

 

3 株式投資のリターンの確実さのまとめ 

 

チャールズ・エリスの調査(敗者のゲーム)によれば、

株式投資(米国株)は、繰り返しになりますが、

 

  • 最高では、15.2倍のプラス
  • 平均では、4.91倍のプラス
  • 最低では、1.96倍のプラス。

 

まとめると、インフレ調整後であっても、株式を長期間で保有すれば、最低でもプラスの収益率が期待でき、それは、債券よりも高い収益率が望めます。

 

確定拠出年金は、定められた年齢まで引き出しができない仕組みですので、必然的に長期間投資になります。開始する年齢によりますが、40歳以下で株式ファンドを中心としたポートフォリオを作成、維持するとプラスの収益が期待できます。

 

管理人は、確定拠出年金ポートフォリオは100%株式ファンド運用にしています。

  

2 所感

 

金融庁の資料と、「敗者のゲーム」から引用しましたが、年金のように長期間引き出し制限(下ろせない)がかかっている投資商品は、株式ファンドを中心としたポートフォリオを組むと、より高い収益率が、高確率で望めます。

 

また、年金のように個人の死によって終了する投資のばあいは、年齢が高くなるにつれて、終わり(死)の時期へ向かって、(個人差がありますが)必然的に残存運用年数が短くなるので、債券へ資産比率を移していくことが有利に働くと、一般に「常識」として考えられることが多いです。

(一方、管理人は、年齢が上がるにつれて債券運用の割合を増やすことが合理的であるという説に、賛成してはいません。)

 

一方、そういう制限がなく、親から子へと引き継いでいける投資の場合は、投資期間が超長期になりますので、株式100%で運用することが投資収益率が高くなり、その分、プラスになりやすいと言えます。また、配当ありの株式の場合、継続的な現金収入が得られます。

 

あくまで、過去の調査結果ですが、知っておいて損はない調査結果です。

管理人は、確定拠出年金は、株式ファンド100%で運用を続けます。

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。楠木山人。