原油の生産量と、確認埋蔵量と（一次エネルギー消費量）をしらべてみました。予想通りの国、意外な国

１　原油の生産量、確認埋蔵量、一次エネルギー消費量（石油換算）

１　生産量

生産量は、１位米国は思ったとおりでしたが、OPECのシェアの低さが意外でした。

従来ほど、OPECの価格支配力、生産力が低下してきており、度々、ロシアの協力を要請する報道の理由がわかりました。

OPEC加盟国：１５ヵ国（２０１８年６月現在）

• イラク
• イラン
• クウェート
• サウジアラビア
• ベネズエラ
• カタール
• リビア
• アラブ首長国連邦
• アルジェリア
• ナイジェリア
• アンゴラ
• エクアドル
• ガボン
• 赤道ギニア
• コンゴ共和国

２　確認埋蔵量

確認埋蔵量は、ベネズエラが１位とは予想外の結果でした。

現在、ベネズエラは経済が破綻しており、IMFの予測では、２０１８年末までに、１００００００％（百万％）のインフレ率になりそうです。

石油がいくらあっても、経済が回っていかない状態です。

経済の破綻は、時間とともに流れていき（状況は刻々と変化する）ますが、確認埋蔵量は時間とともに変動するものではないので、将来的には、生産量が増えていくと思います。ただし、いつそうなるかはわかりませんが。

２位以下は、石油大国が続きます。 

３　原油の生産量と確認埋蔵量と一次エネルギー消費量（石油換算）の一覧

・原油生産量には、オイルシェール、オイルサンド、NGL（天然ガス液）を含む。

・原油確認埋蔵量とは、地質学的・技術的に検証された原油埋蔵量のうち、現在の技術・経済性で採掘可能なもの。

・一次エネルギー消費量は、商業的に取引される燃料及び発電用の再生エネルギーの合計（石油、石炭、天然ガス、ウラン、水力、地熱、太陽光等が含まれる）（BP統計） 

・１バレルは、158.987リットル。

・石油の比重は、0.9で計算しています。

１　バレルに換算

順位	国名	原油生産量（2017） （百万バレル）	順位	国名	確認埋蔵量（2017） （百万バレル）	順位	国名	一次エネルギー消費量（2017） (石油換算百万バレル)	備考
1	米国	3993 （13.0％）	1	ベネズエラ	303182 （17.9％）	1	中国	21903 （23.2％）
2	サウジアラビア	3928 （12.8％）	2	サウジアラビア	266208 （15.7％）	2	米国	15628 （16.5％）
3	ロシア	3876 （12.6％）	3	カナダ	168922 （10.0％）	3	インド	5270 （5.6％）
4	カナダ	1652 （5.4％）	4	イラン	157200 （9.3％）	4	ロシア	4882 （5.2％）
5	イラン	1637 （5.3％）	5	イラク	148766 （8.8％）	5	日本	3191 （3.4％）
6	イラク	1549 （5.0％）	6	ロシア	106187 （6.3％）	6	カナダ	2438 （2.6％）
7	中国	1339 （4.4％）	7	クウェート	101500 （6.0％）	7	ドイツ	2343 （2.5％）
8	アラブ首長国連邦	1233 （4.0％）	8	アラブ首長国連邦	97800 （5.8％）	8	韓国	2069 （2.2％）
9	クウェート	1020 （3.3％）	9	米国	49966 （2.9％）	9	ブラジル	2058 （2.2％）
10	ブラジル	998 （3.3％）	10	リビア	48363 （2.9％）	10	イラン	1925 （2.0％）
11	メキシコ	765	11	ナイジェリア	37453	11	サウジアラビア	1876
12	ベネズエラ	757	12	カザフスタン	30000	12	フランス	1664
13	ナイジェリア	666	13	中国	25664	13	イギリス	1338
14	ノルウェー	621	14	カタール	25244	14	メキシコ	1323
15	カザフスタン	607	15	ブラジル	12794	15	インドネシア	1225
16	アンゴラ	572	16	アルジェリア	12200	16	トルコ	1102
17	カタール	558	17	アンゴラ	9523	17	イタリア	1091
18	アルジェリア	466	18	エクアドル	8273	18	オーストラリア	975
19	オマーン	332	19	ノルウェー	7918	19	スペイン	970
20	イギリス	325	20	メキシコ	7219	20	タイ	907
21	インドネシア	324	21	アゼルバイジャン	7000	21	南アフリカ	843
22	コロンビア	313	22	オマーン	5373	22	台湾	805
23	リビア	285	23	インド	4549	23	アラブ首長国連邦	760
24	インド	282	24	ベトナム	4400	24	ポーランド	714
25	アゼルバイジャン	274	25	オーストラリア	3995	25	マレーシア	696
26	エジプト	225	26	マレーシア	3600	26	エジプト	640
27	マレーシア	225	27	南スーダン	3500	27	シンガポール	604
28	エクアドル	199	28	エジプト	3325	28	オランダ	602
29	アルゼンチン	191	29	インドネシア	3171	29	アルゼンチン	600
30	タイ	117	30	イエメン	3000	30	ウクライナ	572
	世界合計	30679		世界合計	1696604		世界合計	94483

２　トンに換算

順位	国名	原油生産量（2017） (百万トン)	順位	国名	確認埋蔵量（2017） (百万トン)	順位	国名	一次エネルギー消費量（2017） (百万石油換算トン)	備考
1	米国	571.035	1	ベネズエラ	43355	1	中国	3132.18
2	サウジアラビア	561.716	2	サウジアラビア	38067	2	米国	2234.85
3	ロシア	554.353	3	カナダ	24155	3	インド	753.67
4	カナダ	236.330	4	イラン	22479	4	ロシア	698.25
5	イラン	234.192	5	イラク	21273	5	日本	456.43
6	イラク	221.497	6	ロシア	15184	6	カナダ	348.69
7	中国	191.510	7	クウェート	14514	7	ドイツ	335.09
8	アラブ首長国連邦	176.319	8	アラブ首長国連邦	13985	8	韓国	295.94
9	クウェート	145.951	9	米国	7145	9	ブラジル	294.40
10	ブラジル	142.748	10	リビア	6916	10	イラン	275.35
11	メキシコ	109.472	11	ナイジェリア	5355	11	サウジアラビア	268.29
12	ベネズエラ	108.297	12	カザフスタン	4290	12	フランス	237.94
13	ナイジェリア	95.251	13	中国	3670	13	イギリス	191.35
14	ノルウェー	88.839	14	カタール	3609	14	メキシコ	189.25
15	カザフスタン	86.871	15	ブラジル	1829	15	インドネシア	175.20
16	アンゴラ	81.833	16	アルジェリア	1744	16	トルコ	157.69
17	カタール	79.853	17	アンゴラ	1361	17	イタリア	156.03
18	アルジェリア	66.646	18	エクアドル	1183	18	オーストラリア	139.44
19	オマーン	47.564	19	ノルウェー	1132	19	スペイン	138.80
20	イギリス	46.570	20	メキシコ	1032	20	タイ	129.75
21	インドネシア	46.365	21	アゼルバイジャン	1001	21	南アフリカ	120.64
22	コロンビア	44.846	22	オマーン	768	22	台湾	115.13
23	リビア	40.756	23	インド	650	23	アラブ首長国連邦	108.73
24	インド	40.437	24	ベトナム	629	24	ポーランド	102.12
25	アゼルバイジャン	39.178	25	オーストラリア	571	25	マレーシア	99.63
26	エジプト	32.178	26	マレーシア	514	26	エジプト	91.62
27	マレーシア	32.165	27	南スーダン	500	27	シンガポール	86.48
28	エクアドル	28.477	28	エジプト	475	28	オランダ	86.11
29	アルゼンチン	27.359	29	インドネシア	453	29	アルゼンチン	85.90
30	タイ	16.775	30	イエメン	429	30	ウクライナ	81.86
	世界合計	4387.136		世界合計	242614		世界合計	13511.17

２　所感

シェールガス（頁岩（けつがん）から採取される天然ガス）革命がおこり、米国が資源生産国第１位になり、サウジアラビア、ロシアと３強を形成することになりました。

技術の進展により、強国が変化していく一例といえると思います。

また、重要な点は、一次エネルギー消費量と原油の生産量の比率です。

近年のエネルギー事情は、従来と異なってきています。

原油の生産量には、石炭が含まれていませんが、化石燃料以外のエネルギーの生産量（使用量）が、急激に増大しており（このブログでも、過去に、非化石燃料の生産量の増大の記事を紹介しましたが）、継続注視していきます。 

 最後までお読みいただきありがとうございました。楠木山人。