唐詩選より 鹿柴（ろくさい） 王維

唐詩選

唐詩選より、五言絶句を紹介します。

非常に有名な詩です。管理人が好きな、美しい情景を読んだ詩です。

唐詩選は、戦争であったり、旅立ちであったり、別れの詩がとても多いのですが、風景を読んだ美しい詩も十分あり楽しめます。

また、漢詩（ここでは、唐詩）は、中国人（現在の国境（版図）とは異なりますが）の到達した高い芸術性を持っており、素晴らしい文化遺産だと思っています。

鹿柴引用

鹿柴（ろくさい）

王維

空山不見人

但聞人語響

返景入深林

復照青苔上

空山（くうざん）　人を見ず

但だ人語（じんご）の響きを聞く

返景（はんえい）　深林（しんりん）に入りて

復た照らす　青苔（せいたい）の上

静かな山の中、人の姿は見えないが、ただ人の声ばかりが聞こえてくる（どこで、何を言っているのかは分からない。その遠い人声が、山の深さ、静けさを、ひとしお感じさせるのである）。夕日の日ざしは深い林の中へとさしこんで、（もはや夕闇のおとずれた林の中の）青い苔の上、その一点だけを、くっきりと照らし出す。

最後までおよみいただきありがとうござました。楠木山人。